「夜中に急に吐いて、そのあと水みたいな下痢が止まらない…」
「飲ませても吐いてしまう。このままで脱水にならないか心配で眠れない…」
うちも、保育園からもらってきた胃腸炎で一晩中シーツを替え続けた夜がありました。嘔吐と下痢が続くと、親のほうが消耗してしまいますよね。まず知っておいてほしいのは、感染性胃腸炎で一番こわいのは「脱水」だということ。逆に言えば、上手に水分をとれれば乗り越えられることがほとんどです。あなたは十分がんばっています。完璧じゃなくて大丈夫。
結論: ロタもノロも、効く抗ウイルス剤はなく、治療の中心は脱水を防ぐための水分・栄養の補給です。吐いた直後はすぐ飲ませず少量から再開し、こまめに。おしっこが12時間以上出ない・泣いても涙が出ない・ぐったりするなどの脱水サインがあれば受診を。意識がおかしい・けいれん・呼吸がおかしいときは迷わず119番。判断に迷ったら #8000(子ども医療電話相談)に電話してください。
【最重要】すぐ受診・救急車を呼ぶサイン
迷ったら受診、が基本です。次のサインは早めの行動を。
迷わず119番(救急車)
・意識がおかしい・ぐったりして反応が鈍い
・けいれん(ひきつけ)を起こした
・呼吸がおかしい(声が出せない)、唇や顔色が紫色(チアノーゼ)
厚生労働省の資料でも、これらの場合は「迷っても119番」「自分で連れて行くのが不安な時も119番」とされています。ためらわないでください。
すぐに医療機関を受診
・噴水状の嘔吐、胆汁性(緑色)の嘔吐
・血便、強い腹痛
・体重減少(10%以上は重症)
早めに受診したい脱水のサイン
・口の中・唇が乾く、目が落ちくぼむ
・皮膚をつまむと戻りに時間がかかる、皮膚が冷たく色が悪い
・12時間以上おしっこが出ない、泣いても涙が出ない
・ぼんやりして呼吸が荒い、急に体重が減った(3%以上。体重15kgで約450g以上が目安)
ロタウイルスでも、意識の低下やけいれん等が見られたら、速やかに近くの医療機関を受診しましょう。
ロタとノロ、どう違う?
どちらもウイルス性の感染性胃腸炎で、症状も対処もよく似ています。
ロタウイルス
・乳幼児期(0〜6歳ころ)にかかりやすい病気です
・2〜4日の潜伏期間の後、水のような下痢や嘔吐が繰り返し起こります
・主な症状は、水のような下痢、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛
・5歳までにほぼすべての子どもが感染するといわれ、5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち40〜50%前後がロタウイルスが原因です
ノロウイルス
・潜伏期間は24〜48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛。発熱は軽度です
・子どもやお年寄りでは重症化したり、吐いたものを誤って気道に詰まらせる危険があるため注意が必要です
どちらも「これに効く抗ウイルス剤」はありません。だからこそ、家庭でのケア(水分・栄養補給)が回復の土台になります。
なぜ「脱水対策」が一番大事なの?
ロタもノロも、ウイルスそのものを叩く薬はなく、脱水を防ぐための水分補給と、体力を消耗しないための栄養補給が治療の中心になります。
脱水症状がひどくなると、点滴が必要になったり、入院が必要になることもあります。逆に、家庭でこまめに水分をとれていれば、その多くは防げます。「薬で治す」より「水分を切らさない」が合言葉です。
家庭での水分補給・経口補水のコツ
あわてず、順番を守るのがコツです。
・吐いたら、すぐには飲ませない — 吐いた直後に飲ませると、また吐いてしまいがち。少し落ち着いてから始めます
・少量から始める — 経口補水療法では、一度にたくさんではなく、ティースプーン1杯ほどのごく少量からこまめに与えるのが基本です。様子を見ながら少しずつ増やしましょう
・吐いたものや汚れた服はすぐ片づける — においが残ると吐き気を誘うことがあります
・量の目安 — 軽症〜中等症の脱水では、経口補水液を体重1kgあたり50ml、4時間かけて飲ませて脱水を治療する方法があります(体重10kgなら500ml)。その後は嘔吐・下痢のたびに水分とカロリーを補給します(1回の目安は体重10kg未満で60〜120ml、10kg以上で120〜240ml)
数値はあくまで目安です。月齢や状態で適量は変わるので、迷うときは #8000 やかかりつけ医に相談してください。
飲み物の選び方・食事の再開
・経口補水液は軽症〜中等症の脱水のときに — 水分と塩分・糖分のバランスが整えられています
・乳幼児用イオン飲料やスポーツ飲料は基本的に使わない — これらは糖分が多く塩分が少なめで、脱水時の水分補給には不向きとされています。脱水のときは塩分・糖分のバランスが整った経口補水液を選びましょう
・お茶や水(塩分を含まないもの)は大量に摂りすぎないこと — 水分ばかり多いと、かえってバランスを崩すことがあります
・食事の再開 — 脱水がなく、補水が完了すれば普通食を始めてOKです。無理に量を増やさず、食べられそうなものから少しずつ
母乳やミルクは、欲しがるようなら続けてかまいません。判断に迷うときは受診時に聞いてみましょう。
こんなときどうする?看病中の不安
吐いたりおむつを替えたりの繰り返しで、「いつ良くなるの」と心細くなりますよね。回数や水分量、おしっこの有無をメモしておくと、受診時に医師へ伝えやすく、自分の心の整理にもなります。家族で交代しながら、無理をしすぎないでください。
よくある質問
Q. 飲ませてもすぐ吐いてしまいます。どうすれば?
まず吐いた直後は少し時間をおき、ごく少量から再開してみてください。それでも飲めない・繰り返し吐く・おしっこが12時間以上出ないなどがあれば、脱水が進んでいる可能性があるので受診を。迷うときは #8000 へ。
Q. ロタとノロ、家で見分けられますか?
症状が似ていて、家庭で確実に見分けるのは難しいです。どちらも対処(水分・栄養補給)はほぼ同じなので、見分けより「脱水サインが出ていないか」に注目してください。ロタは主な症状に発熱が含まれ、ノロは発熱が軽度な傾向があります。
Q. 下痢止めや吐き気止めを飲ませてもいい?
自己判断で市販薬を使うのは避け、必要かどうかは医師に相談してください。ウイルスを出し切ることも回復には大切なので、安易に止めないほうがよい場合もあります。
Q. スポーツ飲料で代用してもいいですか?
乳幼児用イオン飲料やスポーツ飲料は糖分が多く塩分が少なめで、脱水時の水分補給には不向きとされています。脱水時は経口補水液を選ぶのが安心です。お茶や水だけを大量に飲ませるのも避けましょう。
Q. 保育園にはいつから行けますか?
回復の目安は施設や自治体で異なります。症状が落ち着き、普通の食事がとれるようになってからが目安ですが、登園の可否はかかりつけ医や園に確認してください。
まとめ
・感染性胃腸炎(ロタ・ノロ)で一番こわいのは脱水。 効く抗ウイルス剤はなく、水分・栄養補給が治療の中心
・吐いた直後はすぐ飲ませず、少量から。 目安は経口補水液を体重1kgあたり50mlを4時間で(体重10kgで500ml)
・乳幼児用イオン飲料・スポーツ飲料は基本使わない。 経口補水液を選び、お茶・水は摂りすぎない。補水完了後は普通食を再開してよい
・脱水サイン(12時間以上おしっこが出ない・泣いても涙が出ない・口が乾く・目が落ちくぼむ・皮膚の戻りが遅い・ぐったり・体重3%以上減=体重15kgで約450g以上)が出たら早めに受診
・噴水状/緑色の嘔吐・血便・強い腹痛・体重10%以上減はすぐ受診
・意識がおかしい・けいれん・呼吸がおかしいは迷わず119番
・判断に迷ったら #8000(子ども医療電話相談) へ。全国共通の短縮番号で各都道府県の窓口に自動転送され、小児科医師・看護師に相談できます
看病中の嘔吐・下痢の回数や水分量、おしっこの有無は、BabyStepの体調メモに記録しておくと、受診のときに医師へ伝えやすく安心です。
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・赤ちゃんの予防接種スケジュール2026年版|いつ何を打つ?
出典・参考文献
・厚生労働省「ロタウイルスに関するQ&A」
・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
・厚生労働省「上手な医療のかかり方」(救急受診の目安スライド資料/子どもの症状は #8000)
・MSDマニュアル プロフェッショナル版「小児における脱水および輸液療法」(経口補水の量の目安)
監修: 小児科医 | 最終更新: 2026年6月
※この記事は一般的な情報提供を目的としています。お子さま・ご自身の体調に不安がある場合は、かかりつけの医療機関にご相談ください。


