「生まれてから一度も熱を出さなかったのに、急に39度。どうしよう…」
「熱が下がってホッとしたら、今度は体じゅうに赤いブツブツ。何かの病気…?」
はじめての高熱は、本当に心臓が縮む思いですよね。うちも初めて測った体温計が38度台を超えたとき、夜中に何度も顔をのぞき込んでしまいました。でも、もしお子さんが0歳〜1歳ごろで「高熱が数日続いた後、熱が下がってから発疹が出てきた」なら、それは突発性発疹かもしれません。落ち着いて経過を見ていきましょう。
結論: 突発性発疹は、38度以上の高熱が3日ほど続いた後、解熱とともに体を中心に赤い発疹が出るのが典型的な経過で、一般に予後は良好な乳児期の感染症です。ただし「高熱=突発性発疹」と自己判断せず、はじめての高熱や判断に迷う症状では一度受診を。けいれん・ぐったり・水分が取れない等があれば速やかに受診してください。夜間・休日で迷ったら #8000(子ども医療電話相談)で相談できます。
【最重要】こんなときはすぐ受診・相談を
突発性発疹は多くが元気に治っていきますが、以下のサインがあるときは様子見せず、医療機関の受診や相談を優先してください。
・けいれん(熱性けいれん)が起きた、長く続く・繰り返す・体の左右で動きに差がある
・ぐったりして反応が鈍い、呼びかけても意識がはっきりしない
・水分が取れない、おしっこが極端に減るなど脱水のサインがある
・高熱が長引く、または解熱後も発疹以外の症状が強い・悪化する
・はじめての高熱や、判断に迷う症状があるとき
けいれんを「何分で救急車」といった数字は、お子さんの状況によって判断が変わります。長引く・繰り返すと感じたら、迷わず医療機関へ。夜間・休日で受診の判断に迷うときは、#8000(子ども医療電話相談) で相談できます(受付時間は地域により異なります)。明らかに様子がおかしく緊急性が高いと感じたら 119 番もためらわないでください。
突発性発疹ってどんな病気?
突発性発疹は、0歳・1歳の赤ちゃんに非常に多いウイルス感染症です。原因は ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)あるいは7(HHV-7) であることが多いとされています。報告された症例の年齢は 0歳と1歳で99% を占めていて、まさに乳児期に経験しやすい病気です。
初めてかかるときの潜伏期間は約10日と推定されています。「思い当たる接触がないのに突然熱が…」と感じやすいのは、このためかもしれません。
典型的な経過|熱が下がってから発疹が出る
突発性発疹のいちばんの特徴は、発疹が出る順番 です。
・38度以上の発熱が3日間ほど続く
・その後 解熱とともに、鮮紅色の発疹(斑丘疹)が体幹(おなか・背中)を中心に、顔や手足に数日間 出てくる
つまり「熱が下がってホッとした後に発疹が出る」のが典型。発疹が出て初めて「あれは突発だったんだ」と分かることも多いのです。熱が高い割に比較的機嫌が保たれている子もいれば、ぐずりやすい子もいて、出方には個人差があります。
随伴症状と、こわい合併症のこと
多くは 発熱と発疹のみ で経過し、一般に予後は良好です。それ以外にみられることがある症状として、
・下痢
・まぶたのむくみ(眼瞼浮腫)
・大泉門(頭のやわらかい部分)の膨らみ
・リンパ節の腫れ
などがあげられます。
また、発熱の初期に熱性けいれんを合併することがあります。びっくりしますが、一般に予後は良好とされています。ただし、ごくまれに脳炎・脳症・劇症肝炎・血小板減少性紫斑病などの重篤な合併症をおこすことがあるため、上の「すぐ受診」のサインがあるときは必ず医療機関へ。
手足口病との見分け方
「発疹が出た=突発?」と思いがちですが、夏場は 手足口病 との見分けも大切です。
突発性発疹
・高熱(38度以上)が3日ほど続き、解熱してから 発疹が出る
・発疹は 体幹を中心 に、顔・手足へ広がる鮮紅色の発疹(斑丘疹)。水ぶくれは伴わない
手足口病
・感染してから3〜5日後に、口の中・手のひら・足の裏や足の甲 などに 2〜3mmの水疱(水ぶくれ)を伴う発疹 が出る
・発熱は 38度以下のことが多く、発疹と発熱がほぼ同じ時期
・主に 夏(7月下旬がピーク) に流行し、患者の 半数が2歳以下。多くは3〜7日で治る
ざっくり言うと、「水ぶくれが手足や口にある」「発疹と熱がほぼ同時」なら手足口病寄り、「熱が下がってから体に水ぶくれを伴わない発疹」なら突発寄り という見方ができます。ただし手足口病もまれに髄膜炎・脳炎・心筋炎などの重篤な合併症を伴うことがあり、見た目だけの自己判断は禁物。気になるときは受診で確認しましょう。
二度かかることもあるの?
「前にも突発をやった気がするのに、また同じような経過…」ということもあります。突発性発疹は HHV-6 と HHV-7 の2つのウイルスが関わることがあり、HHV-7 によるものは、臨床的に二度目の突発性発疹として経験されることが多い とされています。必ず二度かかるわけではありませんが、「もう済んだはず」と決めつけず、その時々の経過を見てあげてください。
なお、突発性発疹は感染症法上の 定点報告対象(5類感染症) に位置づけられています。
よくある質問
Q. 熱が3日続いていますが、発疹が出ないと突発じゃないのでしょうか?
熱が下がってから発疹が出るのが典型ですが、すべてが教科書どおりとは限りません。高熱が長引く、ぐったりするなどがあれば、発疹を待たずに受診してください。突発かどうかの確認も含め、医師に診てもらうのが安心です。
Q. 解熱後に発疹が出ました。お風呂や外出はしていい?
発疹が出た後の過ごし方は、お子さんの機嫌や体調によります。判断に迷うときは受診時に確認するか、#8000 で相談を。発疹を見て不安なときも、自己判断より一度相談が安心です。
Q. 熱性けいれんが起きたらどうすれば?
あわてず、安全な場所に寝かせて様子を見ます。長く続く・繰り返す・体の動きに左右差があるときは速やかに受診を。はじめてのけいれんや判断に迷うときは、医療機関や #8000、緊急性が高ければ 119 番を。
Q. 上の子にうつりますか?
突発性発疹はウイルス感染症です。詳しい予防やきょうだいへの対応は、かかりつけの小児科で相談すると、お家の状況に合ったアドバイスがもらえます。
Q. 機嫌は悪くないのに高熱です。受診は必要?
比較的元気でも、はじめての高熱や判断に迷う症状では一度受診をおすすめします。「高熱=突発」と思い込まず、ほかの病気の可能性も確認しておくと安心です。
まとめ
・突発性発疹は 0歳・1歳に非常に多い ウイルス感染症で、原因は HHV-6 または HHV-7 であることが多い
・典型経過は 「38度以上の高熱が3日ほど→解熱とともに体を中心に発疹」。発疹は熱が下がってから出る のが特徴
・多くは 発熱と発疹のみで経過し、予後は一般に良好。随伴症状に下痢・まぶたのむくみなど
・発熱初期の熱性けいれん はあり得るが一般に予後良好。まれに脳炎などの重篤な合併症 もあるため危険サインには注意
・手足口病との違いは 「水ぶくれが手足・口」「発疹と熱がほぼ同時」なら手足口病寄り。突発は 解熱後に体幹中心で水ぶくれを伴わない発疹
・「高熱=突発」と自己判断せず、はじめての高熱や迷う症状は一度受診を
・夜間・休日で迷ったら #8000、緊急性が高ければ 119
はじめての高熱は、熱の上がり方・続いた日数・発疹が出たタイミングをメモしておくと、受診のときに医師へ伝えやすくなります。BabyStep の体調メモに「いつ・何度・どんな様子だったか」を残しておくと、あわてがちな受診のときも落ち着いて説明できますよ。
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出典・参考文献
・国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト「突発性発しん(詳細版)」
・厚生労働省「手足口病」
・厚生労働省「上手な医療のかかり方 子どもの症状は #8000」
監修: 小児科医 | 最終更新: 2026年6月
※この記事は一般的な情報提供を目的としています。お子さま・ご自身の体調に不安がある場合は、かかりつけの医療機関にご相談ください。


